恩師の心に響く言葉:富士山よりも高く大きく
先日、恩師の慶事があり三島を訪れました。薄曇の中、新幹線の車窓から、いつもの在る雄大な富士山を眺めることができました。富士山を眺めると、日本人としてのidentityと安心感を覚えます。富士山には、「子抱き富士(こだきふじ)」という呼び名があるそうです。富士山には、私たち日本人を包み込む母の優しさと偉大さがあると感じます。
慶事の席、恩師の石井俊夫先生(元三島総合病院リハビリテーション部長)と雑談のときに、「富士山よりも高く大きいよ!」という言葉をお聞きした。話の文脈は、人材の育成であったように思います。石井先生は、永くこの地でリハビリテーション医療に携わり、また静岡県理学療法士協会会長としても理学療法の発展と理学療法士の育成に貢献されました。今日の静岡県のリハビリテーション医療及び理学療法の発展は、先生の働きなくしてはなし得なかったと思います。言わば、静岡県の理学療法の発展の祖と云っても過言ではありません。
先生が発せられた、「富士山よりも高く大きいよ!」という言葉は、何気ない言葉であったように思います。しかし、先生の人柄が良く表された大変意義深いものであると感じました。先生は当地で生まれ育ち、就労され、そして多くの後輩を育成されました。そしてそこには、いつも優しく雄大な富士山があって、苦楽をともにされたと思います。その言葉は、人材育成には、富士山のようにそこにあって見守り、人を包み込む指導者の愛、そして高く大きな志を育てることの大切さを表現されたのでしょう。
大学の窓から、遠く富士山を眺望することができます。「富士山よりも高く大きいよ!」学生教育にも活かしたい心に響く言葉でした。