「大学での学び」
新緑が色を増し、色鮮やかなアジサイが咲き始めています。アジサイの花色は多様性に富み、それでいて調和を感じます。この爽やかなひとときが過ぎれば、梅雨、そして厳しい暑さを迎えます。今このときから、心身と生活を整えておくことが必要でしょう。
今回は、大学での学びについて考えてみたいと思います。孔子の「論語」には、「最初は学を努め、次に学を好み、最後に学を楽しむ」とあります。学生の皆さんは「学を努め、学を好む」という段階でしょうか。これが、卒業時には「学を楽しむ」ところまで到達していただくことを期待しています。
学を楽しむには、日々の学修を積み重ね、主体的に学ぶことが大切です。主体的な学びでは、今ある知識を単に覚えることが目標ではなく、知と知を総合し、新たな知の創造を目指すことです。ここでは、教員の役割は知識を伝授することではなく、教員自身の知識や研究・臨床の経験を活かして、物事の考え方、発想、倫理、実践を示し、多様性を大切にして自分を超える学生を育てることです。学びの主役は学生の皆さんです。教員はそれを支える舞台となって、自己を犠牲にしなければなりません。
このように、大学での学びは学生・学友・教員がともに新たな知をco-creation共創し、未来へ開かれた窓として学生の可能性を引き出すものでなくてはならないと思います。学を楽しみ、皆さん自らの手で、未来の保健医療福祉のイノベーションをリードしていっていただくことを願います。