卒業生・修了生の皆さんへ:変化の時代における使命と挑戦
卒業生・修了生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。皆さんは、未曾有のコロナ禍を乗り越え、学びを深めてこられました。その努力と成長は、これからの人生において大きな支えとなり、糧となることでしょう。
私たちは今、「VUCAの時代」と呼ばれる、変化が激しく、不確実で、複雑かつ曖昧な社会を生きています。事実、自然災害、戦争、感染症の流行など、予測困難な出来事が次々と発生し、社会のあり方も大きく変化しています。こうした中で、保健医療福祉・教育は、人々の命と生活を支える社会の基盤として、ますます重要な役割を果たしています。そして、その最前線に立つのが、まさにこれから、現場へと歩みを進める皆さんです。
求められるのは、単に社会の変化に適応するだけでなく、新たな価値を創造し、より良い未来を築いていくことです。特に保健医療福祉の分野では、2040年以降を見据えた新たな地域医療構想(厚生労働省)が示され、医療機関の機能分化、地域密着型の医療・介護の連携・統合、医療DXの推進、タスクシフト・タスクシェアの拡充など、大きな改革が進められています。これは保健医療福祉の仕組みそのものを再構築し、持続可能な社会を実現するための改革です。その最前線で活躍するためには、高い専門性だけでなく、創造力と柔軟な思考、そして行動力が不可欠です。
皆さんがこれまでに培った聖隷の精神、専門的な知識と技術は、必ずや社会の発展に貢献する力となるでしょう。困難に直面しても、自らの専門性とリーダーシップを発揮し、積極的に社会を変革していってください。未来は決して平坦ではありません。しかし、皆さんがそれぞれの現場で努力を積み重ね、新しい価値を生み出すことで、より良い社会を築くことができるのです。
皆さんが、本学の建学の精神である「生命の尊厳を守り、隣人を愛する」という理念を胸に、人々を支え、社会に貢献していくことを心から願っています。