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2023年3月31日 (金)

卒業生・修了生の皆さんへ:プロフェッショナルの歩み

新型コロナウイルスの感染拡大から3年、またロシアによるウクライナ軍事侵攻から1年、が過ぎました。世界は今、先行き不透明な混迷の時代です。しかし、どのような時代にあっても、平和と人間の命と健康、生活と福祉と教育が普遍的な価値であることに変わりはありません。卒業生・修了生の皆さんが、建学の精神である「生命の尊厳と隣人愛」の精神を基盤に、それぞれのプロフェッショナルとして成長されますことを願います。

2022年度卒業・修了式 学長の言葉

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新型コロナウイルスの感染拡大から、4年目の春を迎えます。振り返れば、始めて緊急事態宣言が発出されたのは、卒業生の皆さんが2年生になったばかりの頃でした。以来今日まで、感染の不安、自己抑制と奮起のなかで、講義・演習・実習、研究活動に奮闘されてこられました。私たち教職員も、ベストを尽くして参りました。そして本日ここに卒業・修了を迎えられ、今日までの皆さんの努力と研鑽に敬意を表し、心より祝福申し上げます。皆さん、誠におめでとうございます。また学生皆さんの生活、学習、研究を支え、大学運営にもご協力いただきました、ご家族の皆様に、感謝とお慶びを申し上げます。誠におめでとうございます。

さて、卒業生の皆さんは、今日から、保健医療福祉及び教育・保育の専門職業人(プロフェッショナル)の道を歩みだされます。また大学院修了生の皆さんは、各分野のリーダーとして、新たなステージに進まれます。皆さんが様々な困難を乗り越えられてきたのも、プロフェッショナルとしての自覚と責任をお持ちであったからだと思います。

“professional”の語源は、“profess”、すなわち“公言する、公に誓う”という意味があります。皆さんは、保健医療福祉及び教育・保育のプロフェッショナルとして、自分の使命と責任を社会に宣言し、その期待に応えることが求められます。プロフェッショナルの資質には、道徳心・倫理観をもつこと、公益を重んじること、対象者の最大の利益に資すること、そのために専門的な知識と技術を修得し、なお研鑽すること、といったことが共通の認識です。加えて、本学を卒業・修了する皆さんは、それぞれのプロフェッショナルの基盤に、“生命の尊厳と隣人愛”の精神があることも認識しておられます。

仕事という言葉には、英語で “job”“career”“calling”という単語があります。“job”は報酬や生業、 “career”は出世や経歴、“calling”は天職、という意味です。この“calling”の語源には、“神様からの呼び声、呼びかけ、そしてそれに応える”、という意味があります。私は、皆さんのプロフェッショナルの仕事は、“calling”、すなわち天職であって、自らその仕事を選んだというよりも、その仕事にふさわしい者として、神様に選ばれ、その仕事を与えられたのだと思っています。そう考えるならば、その期待と使命に応えられるよう、自ら成長していくことが、プロフェッショナルであると言えます。

プロフェッショナルの道のりは、長い道のりです。途中で、立ち止まること、道に迷うこと、バーンアウトしそうになることもあるでしょう。そのような時、自分に与えられた仕事の意味・目的は何か、なぜ自分はこの道を歩んでいるのか、この仕事は私に与えられた天職ではないか、あなたの心の声に耳を傾けて欲しいと思います。それは、神様との対話であるかもしれません。プロフェッショナルは、内なる声を聴きながら成長する、“省察”の人であると言えます。

皆さん、時代は今、混迷と不安のなかを進んでいます。しかし、皆さんが歩む、保健医療福祉及び教育・保育のプロフェッショナルの道は、どのような時代にあっても、人の幸せと、世界の平和に尽くす価値高いものです。皆さんが自分に与えられた仕事を愛し、プロフェッショナルとして、成長されますことを願っています。 

2023年3月9日

聖隷クリストファー大学

学長 大城昌平

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