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2020年5月28日 (木)

ポストコロナに向けて:レジリエンスと教育のパラダイムシフト

学生の皆さんが段階的に大学に戻ってきています。学内の雰囲気も、明るく活気に満ちてきたように思います。本学では、いち早くオンライン体制を整え、4月15日よりオリエンテーション、4月20日より遠隔授業、そして5月18日から分散登校を開始しました。また、6月15日からは通常の教育及び大学運営を再開する予定です。この間、学生皆さんの学修の歩みを止めることなく学修が継続できました。学生皆さんの学修への取り組みと、それを献身的に支えてきた教職員一人ひとりの力と協働に対し、感謝と敬意を表します。

 

一方、これでCOVID-19が終息したわけではなく、しばらくはウイルスとの共生が求められます。感染第2波や第3波も考慮して、気の緩みを防ぎ、危機管理を高いレベルで維持したまま、「新しい生活様式」を取り入れた教育及び大学運営を継続しなければなりません。またコロナ前の教育方法に戻すのではなく、教育と人材育成の質保証をさらに推進するためにも、コロナ禍において修得したオンライン等の教育手法も活用した「新たな教育・大学運営」を推進し、教育のパラダイムシフトをめざします。

 

最近、「レジリエンスresilience」という概念が各分野で言われます。「回復力、適応力」などと訳される言葉ですが、元の状態(ベースライン)に戻る力ではなく、変化する環境や課題に対し、自ら(個人・組織などの在り様)を変化させて、ベースラインを越えてより良い状態に飛躍(パラダイムシフト)する力、すなわち弱さを強さに変える力であるといえます。人類の誕生以来、私たちは幾多の致命的な困難を乗り越えて、レジリエンスを身につけてきました。このことが人類進化の推進力にもなっています。私たちは今、このレジリエンスが問われています。組織のレジリエンスを高めるには、多様な一人ひとりの尊重、共感と信頼と寛容な結びつき(絆)、そして変化を受け入れる組織風土が必要と思います。ポストコロナにおいて、私たちがどのように進化しているのか楽しみにでもあります。