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2019年10月31日 (木)

礼拝説教「隣人を愛すること」

本学は、「生命の尊厳と隣人愛」の建学の精神を涵養するため自校教育の一環として、週に一度、礼拝の時間を設けています。祈りを捧げ、聖書を読み、賛美歌を賛美し、奨励のお話を聴き、自分自身をみつめる大切な時間です。奨励の話は、キリスト者だけではなく、本学の役職者である学長・3学部長も登壇します。

 

先日は私が登壇し、私が日々感じている、隣人を愛することについてお話ししました。私たちは、本学で隣人を愛することの大切さを学びます。しかしそれは一方で、隣人を愛することの難しさをも知ることでもあります。私たちはどうしても、利己主義や自分本位、自己欺瞞に流されます。人間の心の世界には2面性があります。愛と無関心、愛と不信、愛と傲慢さ、愛と怒り、愛と憎しみ、愛と恨み、愛と残忍さ・・・・。隣人を愛することは、このような自分自身の弱さや心の闇に向き合い、心の良い部分を育てていくことではないかと思います。

 

医療福祉教育の仕事には、その人の人格が現れます。愛あるケアの実践には、共にいること、真に向き合うこと、共に心を痛めることが求められます。その人のところまで、自ら降りていくことが必要です。そのためには、外に向かう心だけでなく、内なる世界を充実させる礼拝のような静まりと内省の時間が必要でしょう。