地域を支える人材を育てる大学
いよいよ受験シーズンが始まりました。日本の18歳人口は1992年の約205万人をピークに減少し続け、2024年には約106万人とほぼ半減する見込みです。さらに、2070年までには約62万人とピーク時の約1/3にまで減少すると予測されています。この人口減少は、本学のある地域にも深刻な影響を及ぼしています。特に静岡県では、若者の流出が顕著であり、大学進学の際に東京や名古屋といった都市部に進学し、その後も地元に戻らないケースが多く見られます(2018年4月進学時:大学進学時の県内進学率は29.5%、2022年4月卒業時:県外大学進学者のうち県内にUターン就職する率は36.6%)。さらに、県内大学を卒業しても県内就職率は年々低下し、2023年度は過去最低の52.7%に達しています。このような状況の中で、地域社会の健康、福祉、教育を支える人材の育成は、ますます重要な課題となっているのです。大学は、人々の社会生活を支える重要な社会インフラと言えるでしょう。
本学では、入学者の8割以上が、静岡県西部や愛知県東部など大学の近隣地域からの学生です。そして、卒業生の約8割が地元の医療・福祉施設(幼保施設を含む)、地方自治体、小学校などに就職しています。このように、本学はこれまでも地域社会と密接に結びついた教育と研究を行い、多くの卒業生を地域に輩出してきました。今後も地域の保健医療福祉や教育を支える大学として、地域に根ざした大学であり続ける必要があります。
人口減少が進むこの時代においては、地域社会の維持と発展に積極的に貢献する未来を見据えた計画が必要です。その一つの方策として、地域プラットフォームの形成による市町村、企業との連携強化による就学支援体制が考えられます。地元で育った人々が本学で学び、卒業後は地域の保健医療福祉・教育を支えながら生活し、次世代を育てていく、そんな循環型の未来を創造していきたいと考えています。
*静岡県ホームページ、**静岡新聞を参照