2-7.精神看護学領域 Feed

2016年6月 3日 (金)

精神看護学実習について

 精神看護学実習に来る前の、精神看護学のイメージは「よく分からない」とか「とっつききくい」とか、とにかく未知の領域であると学生は体験しているようです。実はそんなに未知の領域ではありません。よく学生は「患者さんのこころに寄り添いたい」と思って看護学部に入ってくるのですが、そのこころに寄り添う姿勢を学ぶ実習だからです。

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 患者さんを目の前にすると、私たち援助者は病的なところを治していく視点や科学的根拠・データ重視の客観的視点に偏っていく傾向があります。科学的根拠重視の考え方はもちろん重要です。しかし患者さんが病と闘いつづける大変さや苦悩などの主観的な体験に寄り添える援助者として存在していることも同じくらい重要なのです。

 その客観的な視点と、患者さんの体験している主観的視点がうまく調和して一人前の看護になるのだと思います。精神看護学実習ではその患者さんが体験している主観的な視点を大切にアプローチします。

 具体的な進行としては、患者さんと語り合ったり、レクリエーションを楽しみながら患者さんの主観的な体験やその人らしい生き方を考えたり、また自分という人間がどういう人間かを考えていきます。それはとても骨の折れる作業なので、「精神の実習はレクをやっていて、楽しくて体は疲れないはずだけど、なぜか疲れている」と感じる人が多いようです。それは、患者さんの主観的な体験やその人らしい生き方という、答えがわからないことに身を置き続ける疲労なのでしょう。しかし、看護とは人間を扱っているので答えはありません。そうやって「なぜか疲れている」ときは、学生の看護が磨かれている証しなのだと思います。  

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                          精神看護学 清水隆裕

2014年7月11日 (金)

統合実習が始まります(精神看護学領域)

統合実習は、4年生が領域実習を踏まえて、

知識・技術を統合して看護の実際を経験し理解するという実習です。

精神看護学領域では、その実習場の看護チームの一員として、

臨地の状況を判断しての主体的な実習内容の調整・ケアの優先順位・

チームの役割の理解・精神看護技術の実践などを目標としています。

そこで実際の現場に出る前に、自分の課題を明確にするために

事前自己学習をして、発表会を開きました。

これがその場面です。

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自分が興味のある、精神看護につながりそうな本を一冊読んで、

学んだこと、そこから考えられる看護などを伝え合うのですが、

人に伝えるのは結構大変。なので、みなさんお互いの苦労が分かっていますので、

いつもよりもまして真剣に仲間の話を聞いています。

当然こころのことなので、目に見えませんから言葉では上手く伝わりません。

ですから時には、

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こうやって、こころを図にして説明しないと理解できないところも出てきます。

こういった伝えたくても伝えられないもどかしさという苦悩の中に耐えてとどまるということ、

相手の評価や動向を気にしてしまう不安感、努力している人に敬意を払うということ。

などなど、この発表会の中にも精神看護のエッセンスは詰まっています。

みんな気づいていたかな。

ちなみに、今回皆さんが読んできた本は「青年看護師、精神看護の荒野を行く!」

「対象関係論を学ぶ」「依存症と家族」「愛するということ」「子どもはなぜあそぶの」です。

どれもこれも一筋縄ではいかない著作です。

私は、一応教員として全部読んで発表会に挑みましたが、

自分でも理解できないところが多々あり読むのに結構疲れました。

学生のみんなはもっと疲れたでしょう。がんばったみんなに拍手!

2014年2月 7日 (金)

メンタルヘルス教育やっています(精神看護学領域教員の活動より)

メンタルヘルス教育とは、メンタル=こころ、ヘルス=健康ということで、こころの健康を考えましょうという場です。

その中でも、学童期から思春期は成長に伴ってこころにいろいろな悩みを抱える時期なので、小学生~高校生を中心に授業や劇をおこなって、こころの健康について伝えています。

写真のように、できるだけイメージしやすいように、物品を使いながら授業をおこなっていきます。

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劇では、ケンカで悩む小学生に扮したり、受験や恋愛で苦悶する中学生を演じたり、ストレスを与えてくる悪者キャラになったり、ストレスと戦う正義の味方になったりしています。

地域の精神科で働く看護師さんやPSWさんたちに手伝ってもらうのですが、みんなびっくりするほど授業も演技も上手いです。

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ちなみに、秋ごろこのメンタルヘルス教育場面が教育テレビで放映されました。

2分くらい…。

興味がありましたらぜひ探してみてください。

2013年10月 4日 (金)

臨地看護学実習 いよいよ迫る!

 いよいよ3年次の10月から病院や施設、そして地域に出向いての本格的な看護学実習が始まります。これまで、看護に必要な知識と技術は学内講義や演習などで繰り返し学んできました。成人看護、老年看護、母性看護、小児看護、地域看護、精神看護、在宅看護・・・実習場所を変えながら次の年の夏まで延々とトライアスロンのように続きます。頑張るぞ!

とは言うものの・・・患者さんとちゃんと話せるだろうか、いろいろな看護技術やそれに伴う手技を失敗しないでできるだろうか、看護師さんに突っ込まれたらどうしよう。緊張して頭が真っ白になったらどうしよう。
 例えば精神看護学実習。精神看護学?何それ?イメージしにくいですね。「こころ」の看護でしょうか?いえいえ「からだ」もそれ以上に大切です。「はたして幻覚妄想状態の患者さんと話ができるんだろうか?どんなやりとりになるんだろう」「鬱病の患者さんと話しすぎてこちらも落ち込んだりしないだろうか?」楽しみな反面、不安も募ります。

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実習前に当事者の幻覚妄想体験を題材にした「かるた」などをおこないながらディスカッションします。「当事者はこんな体験をしながら生活しているのか。さぞかし大変だろうな」。「なんだ。自分だけが不安じゃないんだ」話し合ううちに不安も和らぎ自然に笑顔が出てきます。 

マジックミラー越しに患者役の教員と学生とのやり取りを観察します。声は全く聞こえませんが、お互いの表情や身振り手振りなどの動作、視線の動きと伝わってくる雰囲気などの情報量の多さに驚きます。

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患者さんとの関係性を築くためには、非言語コミュニケーションがいかに大切かを再確認します。「さすが先生!患者さん役うまいわ。漂う雰囲気が何とも言えない。背中で語ってる」。

「そうですか?患者さんからもしみじみとそう言われることがありますねぇ。私はいつものまんまなんですけどねぇ。それが何か?」(笑)。 
人として慣れ親しんできた当たり前の感覚や、自分らしさを大事にすれば大丈夫なんだ・・・それならできるかも・・・と緊張していた肩の力が自然に抜けていきます。

そのあとで教員から「つまり、さっきの場面ではこんなことが起きていたんですね」と図解しながら、これまで学んだ知識をふまえつつもっともらしい解説。

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「なんだぁ・・そうだったのか。授業で学んだ内容がやっと腑に落ちた。でも先生。私たちのことなんとなく騙してません?」
「騙す?トンでもない。そんな事はないですよ。これで実習はばっちりですね」「やっぱり騙されているような・・・」「そうですか?そうですねぇ。ちょっとは騙しているかも知れませんね」「も〜先生ったら」(笑)。

「大丈夫ですよ。何かあっても骨は私が拾いますから」。学生からの鋭いツッコミを、教員はのらりくらりとかわせても、逃げる事のできない看護学実習。友達と支え合いながらやり抜くしかないのです!