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2016年12月 6日 (火)

市民講座「障がいがある子どもを育てるということ」

11月19日、聖隷クリストファー大学保健福祉実践開発研究センター主催の市民講座「障がいがある子どもを育てるということ」が開催されました。

 水戸川真由美先生(公益財団法人日本ダウン症協会理事、社団法人ドゥーラ協会認定 産後ドゥーラ)と入江礼奈先生(専門里親、NPO法人全国おやこ福祉支援センター相談員(看護師)等)のご講演後には、活発な討論も行われました。

 水戸川先生は、「実際にありのままの姿を見てもらいたい」とのことで18歳になるダウン症のあるご長男と一緒にご講演されました。ご長男はダンスがお好きで、ダンスパフォーマンスを披露されたり(写真1)、講演中の水戸川先生と時々会話されるなど、会場は終始和やかな雰囲気に包まれていました。水戸川先生の講演中のお話では、「ダウン症は顔も性格も多様性をもつ」「子どもから自分が育てられていることを実感する」というお話がとても印象的でした。

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水戸川先生のご講演(長男 裕さんと)

  入江先生は養育・専門里親として23年のキャリアを持ち、3男1女の実子と里子を交えて悲喜こもごもの生活されてきたそうです。わかりやすい資料を用いて「障がいがあるこどもを育てるということ」「現在の日本の里親制度」について説明をされました(写真2)。「里親をすることは自分にできる役割」だと思われたそうで、すでに小学生の時に「自分が神様から与えられた役割の中に、里親のような生活をするイメージを抱いていた」というお話がとても印象的でした。

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入江先生のご講演

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討論会(裕さん 水戸川先生、入江先生)

 討論会では、身内にダウン症の方がいる聴講者などから講師の先生方にご質問があるなど、参加された方々は講演の最後まで真剣に耳を傾けていました(写真3)。また、司会の看護学部入江晶子先生から、「多様性を持つことをわかってほしい」「わからないことがいろんな誤解を招く」というお言葉もありました。

 当日は「知的障がい者と健常者をつなぐフリーマガジン」なども配布され、以前よりも社会への受け入れが盛んになっているように感じました。しかし、今年は障がい者施設での痛ましい事件が発生するなど、もっと社会全体で障がい者への理解が進み、受け入れる体制も活発にならなければならないと思います。私自身は知的障がい者をテーマにした講演に出席することは初めてでしたが、人間の多様性や社会環境について考えることができ、非常に勉強になりました。

 今後このような機会があったら、みなさんも積極的にご参加されることをおすすめします。

(文責:安田 智洋)