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2018年1月 9日 (火)

2018年の座右の言葉 不易流行

新しい年を迎え、皆さんも今年の目標や計画を掲げられていることと思います。私は、年のはじめに、新しい手帳の裏表紙にその年の行動指標となる言葉を記述することにしています。昨年は、ベルクソンの「思索人のごとく行動し、行動人のごとく思索する」という言葉でした。今年は、松尾芭蕉の「不易流行」という言葉を書き留めました。

 

不易流行とは、時代を越えて変えてはならない本質的な事柄のなかにも、時代の流れによって発展を目指して新しい物事を取り入れていくことです。本学に照らし合わせると、過去−現在−未来を通して遵守尊重しなければならない建学の精神と、社会の要請に応え対応すべく教育研究並びに諸活動のイノベーションと言えます。

 

昨年、私は本学の国際化のため、シンガポール、中国、ベトナムに出かけました。いずれの国も、前年に訪問した時に比べ社会全体が発展し、訪問した大学での教員・学生の新しい知識と技術に対する貪欲なモチベーションと、それに伴うイノベーションが刺激的でした。「このままでは日本は取り残される」と実感した次第です。次代に適した保健医療福祉を担うイノベーションには、パートナーシップとリーダーシップによって、新たな価値の創造を目指すことが必要でしょう。

 

本学は昨年、新しい中長期事業計画「未来創造躍進プラン」を策定しました。その基盤は、建学の精神であるキリスト教精に基づく「生命の尊厳と隣人愛」を教育研究並びに諸活動の中心として遵守尊重した上で、本学の独創性の確立と新しい価値創造を目指すことです。昨年は、その目標に向かって、多くの種を蒔いたチャレンジングな一年でした。国内外の教育機関や自治体、企業、大学との新しいパートナーシップの開拓と協定締結、本学の強みと独創性を打ち出す教育カリキュラムの策定、国際コースの設計、教育研究環境の基盤整備などなどです。そして、その背景には、ステータス・クオ(現状維持)を良しとせず、「思索人のごとく行動し、行動人のごとく思索する」という学長である私のリーダーシップもまた問われた年でもありました。今年は、その種が実をつけるよう、迅速にPDCAサイクルを回して事業を推進していかなければなりません。その過程では困難や課題もあるでしょう。しかし、メンタリティを維持し、その過程を推進力としたいと思います。

 

本学の歴史もまた、決断と実行による新たな価値創造とイノベーションでした。不易流行の言葉を座右におき、この一年もまたチャレンジングな年としたいと思います。

 

今年もまた本学の教育研究並びに諸活動に、ご支援をお願いいたします。

皆様のご多幸とご健勝を祈念いたします。